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革と持続可能性について

最終更新: 1日前

記念すべき第一回目のブログになります。(以前一度始めて、挫折したのを除けば…)

今回は、die Tascheで使用している革についてお話しさせていただきます。


現在使用している皮革は、主に牛革です。


今後は国内で供給から生産まで全てを賄え、かつ海外にも輸出している国産豚革や、

増えすぎ、今や害獣となっている鹿などの革も取り扱いと考えています。


様々な動物の革を使用しても、こだわるところは、タンニン鞣しであるということです。


ところで、鞣しとは?

かなりざっくりと言うと、鞣しとは皮を革にすることです。

皮とは、動物から剥いだ生皮の状態ですね。

この生皮を、腐らないように塩漬けにしたり、洗ったり、

汚れを除去したり、石灰水につけて繊維をほぐしたり、その他とても多くの工程を経て、

やっと革になります。


その鞣し方法も、例えば唾液で鞣したり、動物の脳みそで鞣したり、

いろいろあるのですが、今世界で主流なのは、

クロム鞣、タンニン鞣、そしてその二つを組み合わせたコンビ鞣でしょうか。


タンニン鞣とは、植物の渋を用いた鞣し方です。

タンニンは浸透しにくい性質があるため、

濃度の異なるタンニン液に、皮を、薄い濃度から順番につけ込む必要があり、

非常に手間暇のかかる革です。

仕上がりは比較的コシとハリのある革になります。

また、経年により革が味わい深く変化していきます。



クロム鞣とは、クロム鞣剤を用いなめす方法。

仕上がりは柔らかく、熱にも強く仕上がります。

また、作業効率も良く、タンニン鞣しと比較して、安価に手に入ります。


die Tascheではタンニン鞣しの革を使い、製品を作ります。

それは、味わい深さや経年使用による楽しみもありますが、

より持続可能性が高いと思えるからです。


どういうことかというと、

例えば、先進国で定められたような厳しい規制が無い国で行われるクロム鞣しは、

有害な薬品を用いることで、従業員(子供も含まれる)に健康被害が出たり、

周辺地域で環境汚染が広がったりと、社会問題となっています。


また、クロム鞣し革自体は有毒ではないのですが、低温で燃焼処理を行うと、

有毒な六価クロムが発生することがあります。

(日本では、高温焼却がなされているので、危険性は低いです。)



一方でタンニン鞣しの革は、植物由来の原料で鞣す為、鞣し工程でも安全性が高い革です。


そして、これはどちらの革でも言えることですが、鞣しの際には大量の水を使います。

そして、鞣しに使用した水の、排水に伴う水資源汚染の懸念があります。


大量の微生物が発生しており、その水が川などに排水されると、そこに住む生き物全てに、

酸素が行き渡らなくなり、死んでしまうということが起こるとされています。


とはいえ現在では、タンナーさんが独自に浄水装置を持っていたり、

使用済み排水を市町村の浄水場に持って行き、浄水処理を行ったのちに、

排水をするようになっているようです。


die Tascheでは、持続可能性を考え、それらに対し適切な処置を行っているタンナーさんの革のみを使用し、製作をしています。




世界の規模で考えるとほんの些細なことですが、後世に対する責任を考え、

持続可能性という観点も大事に様々な選択をしていきたいと考えています。



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